本記事は、当社に実際に寄せられたM&A・事業承継のご相談をもとに、相談者・企業のプライバシーに配慮して、内容の一部を加工・再構成した相談事例です。
ご相談の背景
工具の修理・校正事業の承継では、顧客から預かった依頼を継続して扱いながら、技能者の知識と作業記録をどう引き継ぐかが相談の論点となります。代表者や熟練担当者が不具合の見極めや顧客説明を担う場合、売上や設備の一覧だけでは分からない仕事の流れも整理する必要があります。
受付履歴と作業・校正の記録を整理する
受付時の症状、工具の型式や識別情報、見積り、実施した作業、使用部品、返却時の説明を関連付けて確認します。校正の記録や証明書については、対象機器、測定条件、担当者などの情報をどこで管理しているかを整理します。未完了の依頼や再修理対応、顧客と取り決めた対応範囲を分け、承継時に確認漏れが起きやすい事項を明らかにします。
技能者の知識と測定設備を確認する
担当者ごとの対応できる作業、判断を相談する相手、業務で用いる資格や認定、顧客から求められる条件を確認します。経験に頼る診断や調整の判断は、手順書の有無だけでなく、誰が説明できるかも整理します。測定設備や治具は、所有・リースの区分、使用状況、保守履歴、校正に関する記録をまとめ、引継ぎ後に必要となる点検や更新の負担を把握します。
部品調達・協力先と引継ぎ体制を考える
部品の調達先、入手しにくい部品への対応、外部へ依頼する修理や校正の範囲を一覧にします。協力先との取引条件と、担当者間で共有している注意事項も確認します。従業員の役割や働き方、代表者が関与する期間について、希望と準備に必要な条件を分けて検討します。顧客名や個別の作業記録は、秘密保持を踏まえて開示の範囲と時期を相談し、引継ぎに必要な情報から段階的に整理します。
本記事は、譲渡の成立や雇用・取引の継続、修理・校正の対応体制の維持を保証するものではありません。
